2024年12月5日現在
227,183人のサービス介助士が全国で活躍中!
イーアスつくば店内での高齢者疑似体験
車いすの操作(挨拶)
イーアスつくば外観
茨城県つくば市、つくばエクスプレスの研究学園駅から徒歩4分に立地する、北関東最大級のショッピングセンター「iias(イーアス)つくば」は、2010年10月に開業2周年を迎えた。
巨大な吹き抜けのある3階建てのインモールと、緑豊かな遊歩道に接する平屋のアウトモールに約200のショップやレストランが営業。さらに、メディカルコート(医療機関)・銀行・カルチャー教室・結婚式場などを併設し、周辺地域住民の生活をさまざまなシーンでサポートしてきた。
イーアスつくばHP URL:http://tsukuba.iias.jp/
イーアスつくばは、「バリアフリー法認定建築物」であり、段差の解消や通路の幅を広くとるなどの、さまざまなバリアフリー化が行われている。また、高齢のお客様や、障がいのあるお客様対象のサービスとして、車いすの無料貸し出し、車いすでもゆったりご利用いただける「みんなのトイレ」の設置、介助の必要なお客様が係の者を呼び出せるように、入口付近へのインターホンの設置などを進めている。
イーアスつくばは、国土交通省の定める「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー法)」に認定されたショッピングセンターである。
▲バリアフリー認定建築物の表示
▼わかりやすいサインが店内外に。
[左] トイレ・喫煙所への誘導
[中央] トイレ入口
[右] タクシー乗り場
[左] 介助の必要なお客様が、係員を呼び出せるインターホン
[右] 代金投入口の位置が低く、商品選択ボタンも押しやすい自動販売機
[左] ベビーカー・車いす優先
エレベーターの表示
[右] 段差のないフラットな床
▲車いすでもゆったり利用できる「みんなのトイレ」を13カ所に設置
イーアスつくばでは、開業2周年を期に、さらに一歩進んだ接客サービスを目指し、2010年より「サービス介助士の学び」を導入することとなった。
イーアスつくばの佐々木健雄支配人は、サービス介助士の導入理由を次のように語る。
▲イーアスつくば 佐々木健雄支配人
イーアスつくばのキャッチコピーは『すべてのあなたに、良い明日を』です。親子3世代で楽しめるショッピングセンターを目指し、どの世代にも楽しんでいただける工夫を重ねてきました。
バリアフリー法認定建築物としてのハード面の整備に加え、従業員がお客様の立場に立って接客できるスキルや心構えを身につけることでサービスの質を向上させ、さらに楽しくご利用いただけるショッピングモールになりたいと考えています。
その一環として、高齢の人や障がいのある人への『おもてなしの心と介助技術』を学ぶサービス介助士の学びを導入することとしました。そのために、テナント各店・管理部門の従業員を対象に、まずサービス介助セミナーを開催し、さらにサービス介助士資格取得の支援を行いました」(佐々木支配人)
2010年2月、各テナント・管理部門の142 名が2時間の「サービス介助セミナー」を受講。白内障と同じような見え方をするゴーグルや、重り、サポーター、耳栓などを装着して高齢者の身体機能の低下を体験する高齢者疑似体験、車いすの操作、視覚障がい者への手引きなどを学んだ。佐々木健雄支配人もこのセミナーに参加し、その感想を語っている。
「サービス介助セミナーで高齢者疑似体験や車いすの操作を行うなかで、『なるほど』と思うことや、多くの気づきを得ました。さらに多くの従業員が体験し、学ぶことで、一人ひとりが人にやさしくなり、お客様へのサービスに対する姿勢が変わってくることを期待しています」(佐々木支配人)
サービス介助セミナーの開催後、受講者が資格を取得すれば、受講料の半額を負担するという内容の受講支援を行い、テナント各店からサービス介助士検定取得講座の受講者を募集した。そして、8月下旬から9月上旬にかけて、通信課程を修了した受講者を対象に、イーアスつくば内を会場とする実技教習を開催した。
実技教習では、2日間(12時間)にわたり、高齢者疑似体験、車いすの操作、視覚障がい者への手引き、点字、聴覚障がい者とのコミュニケーション、片まひがある人の着脱介助などの実技と、ホスピタリティ・マインド、ジェロントロジー(創齢学)、ユニバーサルデザイン、身体障害者補助犬、接遇などについて学んだ。
実技教習の2日目には実技チェックと筆記試験が行われ、合格した46名がサービス介助士の資格を取得した。
[左] 高齢者疑似体験(食事)
[右] 高齢者疑似体験(買い物)
[左] 車いすの操作(持ち上げ)
[右] いすから車いすへの移乗
イーアスつくばで働くサービス介助士資格取得者の方に感想を伺った。
宮本 明也さん((株)カスミ つくばスタイル店グロサリー担当)
スーパーマーケットには、さまざまな年齢や健康状態のお客様が来店されます。どのようなお客様にも最良のサービスができ、安全に介助できる技術や心構えを得るために、サービス介助士を受講しました。実技教習は実践的・具体的で、現場ですぐに役立つ研修でした。
今後は、健康・不健康、健常者・障がい者、若年者・高齢者の区別なく、どんなお客様にも安心してご来店いただける店舗にしたいと思っています。
山口 直美さん(Dewi(デウィー))
安心・安全にお客様をご案内できるようになりたいと考えて受講しました。実技教習を受けてみて、障がいのある方が普通に生活していくことの難しさを実感しました。
サービス介助士の学びには、介助の技術とともに、心の学びがあります。「お客様の立場になってご案内していく」ことを、これからさらに深めていきたいです。
松下 並樹さん(メガネ パリ ミキ イーアスつくば店)
障がいのあるお客様に、店内で少しでも快適にお過ごしいただきたいと思い、受講しました。実技教習では、安全にお客様のご案内やお手伝いができるよう、細やかな指導が受けられました。今後は自信を持って「お手伝いしましょうか」とお声がけができそうです。
今までは、障がいのある方には「何でもお手伝いしなければ」と身構えていました。しかし、そうするとかえって不満を感じられることもあると知り、お客様の立場に立ったお手伝いの大切さが改めてわかりました。
Aさん(イーアスつくばインフォメーション)
インフォメーションでは、今後のお客様対応に生かしていくために、スタッフ全員がサービス介助士を受講しました。実技教習では、多くの介助に関する技術を学ぶことができて、勉強になりましたし、実際に体験することを通して、相手の気持ちが少し理解できるようになりました。
今後も常に心のアンテナを張り巡らし、“私にできることなら、させていただく”という気持ちを持っていたいです。
▲イーアスつくばインフォメーション
自らサービス介助士を取得した松本 茂副支配人は、「高齢の方や障がいのある方のニーズに気づき、しなやかに対応できる従業員の育成を目的に、サービス介助士を導入しました。サービス介助士の知識、技術、マインドを持った従業員により、お客様に適切なサポートができるショッピングセンターを目指していきます」と語る。
▲イーアスつくば 松本 茂副支配人
「受講生には、相手の立場に立った思いやりの心、おもてなしの心が芽生え、接客態度にもよい変化が見られます。多くの従業員がサービス介助士の学びを身につけ、相手を思いやり、やさしい心・まなざしを持って、すべての人が心豊かに暮らせる社会をつくる力となることを期待しています。
実技教習は高齢者疑似体験の内容が充実しており、高齢者の身体面・精神面の苦痛が実感できました。障がいのある方が普通に生活することの難しさや、健常者である私たちの心の持ち方(心のバリアフリー)の大切さを強く感じました。
今後は学んだ知識・技術を、職場のみならず、地域・社会でも活用し、心豊かなやさしい社会の実現に向けて微力ながらお手伝いしたいと思っています」(松本副支配人)
イーアスつくばでは、2010年10月から第2期のサービス介助士検定取得講座の受講者募集を開始。2011年2〜 3月に実技教習を開催する予定だ。
佐々木支配人は「今後も継続的に従業員が学習しやすい環境を整備し、約200の全テナントにサービス介助士を配置できるよう取り組んでいきます」と語る。
イーアスつくばオリジナルのサービス介助士グッズも制作し、広報活動にも積極的に取り組んでいる。来春以降も続々と新たなサービス介助士が誕生し、「おもてなしの心」があふれるショッピングセンターとなることを期待したい。
[左] ストラップとネームカード
[右] テナントのPOPスタンド
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