2024年12月5日現在
227,183人のサービス介助士が全国で活躍中!
視覚障がい者の手引き(坂道の通行)
車いすの操作(あいさつ)
株式会社ライフシステムは、群馬県内全域を営業エリアとして、ブライダル、セレモニー、冠婚葬祭互助会事業を幅広く展開している企業である。
群馬県内で20万人以上の人口を擁する高崎市・前橋市・太田市・伊勢崎市の4市に、ブライダルの「マリエール」、セレモニーの「日典ラサ」の14施設(結婚式場2、教会2、トータルビューティースタジオ1、葬儀式場及び法事会場9)があり、互助会の会員は約7万人となっている。
ディア・フィオーレ マリエール高崎のチャペル
日典ラサ中山(高崎市)
株式会社ライフシステムHP URL:http://www.lifesystem.co.jp/
株式会社ライフシステムでは、互助会加入者に満足いただけるサービスの提供を目的に、正社員・準社員・パートタイマーを含め427名(2010年5月現在)の従業員を対象に、社内や外部団体等で行われる研修・資格取得を積極的にすすめている。
その一環としてサービス介助士の資格取得に取り組み、2010年5月13・14日には、ディア・フィオーレ マリエール高崎(高崎市)にてサービス介助士の実技教習を実施。グループ各店舗で接客などを担当するチーフクラスの社員が参加した。
サービス介助士を導入した理由について、株式会社ライフシステム総務課次長の副島 浩さんはこう語る。
「結婚式や葬儀には、大勢のお客様が参列されます。その中には車いすをご利用の人や、視覚や聴覚に障がいのある人も多くいらっしゃいます。
しかし、こうしたお客様のおもてなしについて、専門的な知識や技術を持つ社員がいませんでした。そこで、サービス介助士の学びをぜひ取り入れたいと思いました」
実技教習はディア・フィオーレ マリエール高崎の館内で行われた。ここの施設には、さまざまな世代の人が訪れる結婚式場ならではの工夫が施されている。
まず目に付いたのは、最上階の3階まで続くゆるやかなスロープだった。「高齢の方でも、ご家族やお友達と一緒に式場まで歩いて向かうことができるように、建築当初からこのスロープを設けました。改築の際に『エレベータもあるし、なくしてはどうか』という意見もあったのですが、当社のこだわりとしてずっと残しています」と副島さんは話す。
また、赤ちゃんや幼児を連れての結婚式参列のときには、子どもがむずかったり、騒いだりすることが気になるものだ。ここでは、式場の隣に窓のある小部屋があり、子どもと一緒にそこから式の様子を眺めることができる。
▲入口から最上階まで続くスロープ
実技教習では、老人性白内障を体験できる特殊ゴーグルを着け、サポーター・おもりで関節の動きを制限し、耳栓や手袋で聴力や手先の感覚を鈍くして階段の上り下りや食事などを行う「高齢者疑似体験」、車いすの操作、道案内や食事の案内などの視覚障がい者の手引き、手話などの聴覚障がい者とのコミュニケーション、車いすからいすへの移乗、衣服の着脱介助などの実技を行い、最後にグループに分かれて実際の介助の場面を想定した総合ロールプレイを行った。
車いすの操作(段差のあるところ)
いすからの移乗
衣服の着脱介助
手話(聴覚障がい者とのコミュニケーション)
視覚障がい者の手引き(食事の案内)
点字を書く
総合ロールプレイ(車いす使用者の介助)
総合ロールプレイ(車いす使用者の介助)
日典ラサ中山で、セレモニーアテンダントとして接客や誘導など葬儀のお手伝いや、式場のご案内をしています。
高齢者疑似体験や車いすの操作などを行ったときには、人のお手伝いをするというのは気を遣うことですし、高齢者や障がい者に無理のないよう、ゆっくりていねいにということで神経を使いました。逆に介助される側も、肉体的にも精神的にも大変なのだという実感を持ちました。高齢者や障がい者の視点で、相手の心を傷つけないように、見守りながら手助けができればと思います。
葬儀式場には高齢の参列者が多く、杖をついている方などは、どうしても動作がゆっくりになります。そのようなお客様に対して何をどのように手助けしていけばいいのか、考えていきたいと思います。
これまで接客についての研修を受けたことはありましたが、介助について学んだことは初めてで、葬儀担当者として、とてもよい勉強となりました。
結婚式場をお探しのお客様に、マリエールでの挙式・披露宴をご案内する営業の仕事を主に担当しています。式場に来られるお客様の出迎えなどのフォローにも入っています。
サービス介助士の実技教習はとても実践的でした。今までは車いす利用のお客様が来場されたときには、言わば自己流でお手伝いをしていました。今回、介助の基本的なところから学ぶことができたので、すぐにでも実践できるとうれしく思っています。
また、最後に介助の場面を想定して行ったロールプレイは、チームのメンバーの「気づき」や「ひらめき」をうながし、学んだことを復習する意味でもよかったと思います。
高齢者疑似体験を行ってみて、「自分が高齢になること」についても考えさせられました。「老い」はいつの日か自分にもやってくるので、前向きに考えたいと思ってはいますが、今回限られた時間だけ体験した体の状態が、高齢者になればずっと続いていくわけですね。受講する中で学んだ「老い」の現実と、それに対する考え方をきちんと取り入れて、納得しながら自分も準備をしていかねばと感じました。
株式会社ライフシステムで勤続25年になります。入社以来、マリエール高崎で予約、インフォメーション、衣装、経理、美容、教会の建築などを担当、その後マリエール太田では美容と教会の建築を担当し、また高崎に戻って支配人を務めました。現在はブライダル衣装全般を担当しています。
今回受講して、たくさんの気づきが得られました。高齢者や障がい者のお客様は、私たちが接客していく中で必ず出会うお客様です。これまでは、お客様への「対応」で終わり、言葉だけでしか接遇していなかったように思います。今後は、介助の知識や技術を生かし、身体を使ったお手伝いができるのではと感じています。
高齢者疑似体験では、高齢者に対する見方が変わりましたし、相手の立場を理解するきっかけができたと思います。自分自身の「老い」を考えるときにも、ジェロントロジー(創齢学)などの考え方を知ったことで、プラス志向になれる気がします。
サービス介助士の学びに期待することとして、副島さんは「年間で何万人と来場されるお客様のなかには、障がいのある人をはじめ、さまざまなお客様がいらっしゃいます。サービス介助士の学びを生かして、お客様お一人お一人にご満足いただける応対ができるようになってほしいですね」と語る。
株式会社ライフシステムでは、冠婚葬祭のサービスに関する国家資格等を取得した社員を年1回表彰している。2010年6月1日に行われた表彰式では、サービス介助士資格取得者19名が表彰された。
▲サービス介助士集合
「わが社のモットーは“ハードよりハート”です。どれほど設備が整っていたとしても、人の温かさがなくては、ブライダルやセレモニーといった、人生の節目をサポートするサービス業を続けていくことはできません。
サービス介助士の学びを通して、従業員の中に“人に優しく”という心を育て、『ここの会館でやってよかった』とお客様にお喜びいただけるようになりたいと思っています。
今後もそのために役立つ資格・研修があればどんどん取り入れていきますし、サービス介助士についても各店舗に配置できるよう、資格取得者を増やしていきたいと考えています」(副島さん)
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