“認知症介助士は福祉や介護で役立てる資格なのでは?”と感じる方もいます。
福祉や介護と考えると、人によっては自分には関係のない話題と思うかもしれません。
しかし、65歳以上の高齢者の人口が29%を超える超高齢社会の現代、加齢が最大要因である認知症は誰にでも関わるテーマであり、福祉医療だけに留まるものではありません。
ここでは認知症介助士、並びに資格を認定・運営する、(公財)日本ケアフィット共育機構が考える“介護”と“介助”についてご説明します。
日本ケアフィット共育機構が考える“介護”と“介助”の違いは、関連資格である「サービス介助士」でもお伝えしているものと同じ、以下のようなものとしています。
「介護」は入浴や食事、排せつなど生きていくために必要な日常生活の支援が中心であり、ADL (Activities of Daily Living:日常生活動作)を保障するための支援といえます。
「「介助」はADLのお手伝いは基本的に不要であるものの、QOL(Quality Of Life:生活の質)の向上のために必要な支援といえます。
QOLは加齢や心身機能の障害、社会的障壁があることによって低下します。
生活の中で物事の達成感を味わったり、コミュニケーションの輪を広げたり、社会との関わりを持つためにはQOLの向上を目指す「介助」が必要になります。
ただし、介護においてもQOLに配慮していないわけではないことをつけ加えておきます。
認知症介助士の英語表記は「Dementia Care-Fitter」です。
では、“ケアフィッター”とは、「ケア」を「フィットする」とはどういうことでしょうか。
認知症による症状の現れ方は、その人の状態や周囲の状況によって異なります。
例えば普段は一人で行動する認知症の人が買い物をする際、ある時はご案内が必要な場合もあれば、ある時は必要がないこともあります。
“このお客さまにはこうやって対応する”という考えだけでは、不足する場合も過剰な場合もあります。
その人がどのような状態か気にかけつつ、認知症による症状だけでなく、症状を引き起こす要因となるような環境がないか考え、コミュニケーションを続けていきます。
常に一定の答えやマニュアルがあるわけではないので、その場、その時、その人にあった行動をしていくという、“ケアをフィットする”マインドが認知症介助士で考える“介助”なのです。
認知症介助士は上記のような“認知症の人へケアをフィットすること”を学ぶ資格であり、認知症介助士は“免許”でも、職業でもありません。
この意味では、認知症介助士は必ずしも医療・福祉施設の仕事への従事に直結することを約束する資格ではありません。
また、認知症になった家族と接する際に資格がなくてはならない、というものでも当然ありません。
ただし、介護従事者や認知症になった家族と接する場面においても、認知症介助士でお伝えしているコミュニケーション・接遇の観点や、認知症の人を困らせているかもしれない環境要因・社会的障壁への着目は重要です。
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