掲載日:(対談日:2017-12-14)
日本ケアフィット共育機構が発行するフリーペーパー『紲』本誌で企画された、東日本旅客鉄道(JR東日本)と東京地下鉄(東京メトロ)のスペシャル対談。本誌に収まりきらなかった貴重なお話しを、前後編に分けてお届けします!(対談日:2017年12月14日)
東日本旅客鉄道株式会社 鉄道事業本部 サービス品質改革部 部長
池田 裕彦(いけだ ひろひこ)さん
東京地下鉄株式会社 鉄道本部営業部 部長
大野 正道(おおの まさみち)さん
ーー前編では、社員の皆さんが率先してお手伝いすることの大切さをお聞かせいただきました。後編ではハード面のお話しも聞かせてください。私たちが気づかないような安全への工夫などもあるのでしょうか。
大野地道なところで言うと案内サインの改良でしょうか。専門家に依頼したり、障がい当事者の意見を取り入れたりといった工夫は、どこの鉄道会社も取り組んでいると思います。
池田東京メトロのサインはわかりやすいですよね。路線名のナンバリングはとても先進的だと思います。当社では、いわゆるユニバーサルデザインへの取り組みを進めています。例えば、自動改札機を車いすの幅に合わせて広くしたり、車両の手すりを湾曲させてお子さんやご高齢の方でもつかみやすく工夫したりといった取り組みです。最近は、自動改札機を車いす利用の方でも使いやすくするためには、ICカードを読み取る部分をどのように改良すればよいか、研究と実験を進めています。
大野それはすばらしい取り組みですね!当社では全駅へのエレベーターとホームドアの設置は数年以内に完了するのですが、ホームドアがあったとしても電車とホームの隙間は埋められないので、可動ステップの導入も進めているところです。
ーー2020年、あるいはそれ以降に向けて、どのような取り組みを予定されているのでしょうか。
池田海外からのお客さまへの応対は各社共通の課題ですから、いかにシームレスなご案内ができるかですね。アプリケーションの活用やナンバリングの整備など、さまざまなことを共有していく必要があると思っています。
大野当然、語学の習得も進めています。今後は翻訳機能つきのタブレットを使ったご案内も充実させていきます。ただ、全てのお客さまに快適に過ごせる駅にしていく、というのは永遠の課題ですから、2020年を目指して、ということでもないんですけれどね。
池田そうですね。オリンピックがあるから特別に、ということではなく、サービスを充実させるためのひとつの機会として捉えています。若手社員も向上心を持って、自発的に語学の勉強会を開いたりしてくれていますよ。
ーー最後に、今後の目標をお聞かせください。
大野繰り返しになりますが、全てのお客さまに安全、安心、快適に利用していただけること。オリンピックをよい機会として、それ以降もよいサービスを追求していきたいと思います。
池田技術は日進月歩ですから、常に新しいことを取り入れていきたいです。あとは社員の気持ちですね。社員一人ひとりがお客さまに寄り添う気持ちを持つ。まずはその前提をつくったうえで、さらにサービスを向上させていければと思います。
ーーありがとうございました。これからの両社の取り組みをとても楽しみにしています!
サービス介助士の資格は、JR東日本様、東京メトロ様をはじめ、多くの鉄道・バス事業者様で導入いただいています。