掲載日:(取材日:2018-03-10)
車いすユーザー・みやじが送るピョンチャン パラリンピックレポート第2段!
今回は主に韓国国内の交通機関の紹介です。何をするにも欠かすことのできない移動手段、そのバリアフリー状況はどのようなものだったでしょうか?
ライタープロフィール
みやじさん
18歳の時に事故により脊髄損傷を負い、車椅子を使用して生活するようになる。
現在は大学院にて、障がい者のスポーツ観戦について研究中。
趣味は、サッカーなどのスポーツを観戦すること。
自操できる車いす使用者であればバス利用が可能 平昌パラリンピック期間中は、韓国国内で高速バスやKTX(新幹線)、タクシーを使用しました。まず、仁川空港からソウルへは高速バスに乗車しました。高速バスには、車いすを使用したまま乗ることはできなかったので、バス内の手すりを使用して捕まり歩きで乗車しました。車いすは、最初折りたたんでバス内の荷物置場に置いて欲しいとスタッフから言われましたが、車いすが折りたためないことを伝えるとバスのトランクに収納してくれました。スタッフの方には柔軟に対応していただけました。仁川空港からソウルまでは、約2時間掛かりましたが、シートも座りやすく快適に過ごせました。
ノンステップではないため、車いすから降りる必要がありました。
ソウルからはKTX(新幹線)を使用して平昌まで行きました。
日本で、KTXのチケットの取り方は調べていきましたが、「電動車いす席しかない」「事前に申請が必要」「事前の申請は必要ない」等々の確実な情報を取得できていなく、とても不安ななかチケット売り場に行きました。
KTXのチケットを購入するカウンターに行くと、一番端にローカウンターがあり、そこには車いすの表記がありました。スタッフの方に話すとスムーズにチケットを購入でき、購入前までの不安は少し軽減されました。
車いすユーザーも使える低い窓口
自動発券機は背の低いタイプも設置
さて、チケットを購入後は、「どうやって乗車するの?」という不安がありました。こちらも韓国に来る前に確実な情報を得ることができず、わかっていることは乗車口がとても高いところにあるということです。いよいよ実際に乗る時になりました。スタッフの方に案内されプラットホームに行くと、写真のようなスロープを持ってきてくれました。このスロープは、真ん中のフラットのところに乗ると自動で昇降するようになっていて、車いすを使用していても快適に乗車できるようになっています。日本では、スロープを準備して電車に乗るまでに時間がかかることが多いですが、KTXではスロープがすでにプラットホーム上に準備されていてすぐに乗車することができました。車内には、車いすで入れるスペースもあり、問題なく乗車しました。KTXは揺れも少なく乗り心地もとてもよかったです!!
車両とホームがフラットではないので、スロープを使用します。
機械式スロープはホームに常設されています。
“車いす”から“いす”へ移乗できるほか、車いす用スペースもありました。
初めてパラリンピックを観戦しに行きました。現地ではたくさんのスタッフやボランティアのおもてなしを感じることができました。開会式はとても寒かったですが、開会式終了後、会場の最寄駅まで戻ると暖かいお茶が用意してあり、誰でも飲むことができるようになっていました。会場内でも、スタッフやボランティアの方からお声掛けも多く、『おもてなし』を多々感じることできました。特に、駅構内や会場内の案内表示は充実していて、「トイレはどこにある?」のように迷うことがなく移動できたのが印象的でした。
東京オリンピック・パラリンピックまで残り2年ですが、どんな大会になるのか、今から楽しみです!!