掲載日:
阪急バス株式会社
運輸部安全管理課(教習)大辻 淳一様(左) ・
人事部(安全衛生担当)中村 真一様(右)
中村様これまでに、経営企画部門では公営バス事業の受託窓口や広報対応、新規事業の検討などの業務を経験し、8年前に人事部へ異動してからは採用や教育に携わり、現在は安全衛生担当として、社員の健康・安全に関する業務を担い、その一環でサービス介助士資格の取得を推進しております。
やりがいという点では、運転士採用を担当していた時に、バス運転経験のない新入社員が、厳しい研修を経て営業所に配属され、日々無事故でバス運転を続けてくれている。それだけでも十分に嬉しいですし、さらにその社員がお客様からお褒めのメールや手紙をいただいたことを目にすると嬉しさも倍増し、やりがいを感じます。
大辻様私は運転士として入社し運転業務を10年、運行管理業務を10年努め、今は運転士の指導教育を主に担当しております。子供のころからバスの仕事に憧れていましたので家族の支えも有り、毎日楽しく業務に励んでおります。また、運転業務で、終点に到着したとき、お客様から「ありがとう、おつかれさま」と言っていただけると無事故で目的地に到着できた安堵の気持ちとやりがいを感じます。
中村様確か、阪神バスさんが一足先にサービス介助士を導入されていて、担当者間でどんな研修?と、色々リサーチしていたのがきっかけだったと聞いています。
ケアフィットはい、その通りです。同業他社様が先にサービス介助士を導入している情報を持っていらして、「少し教えてもらっていいですか?」と当時の担当者様から直接お電話をいただいたのが、きっかけでした。ちょうど「障害者差別解消法」の施行が迫っている時期だったので、すぐに研修の提案をさせていただいたのが、ご縁の始まりです。豊中で研修させていただいた時に大辻様にお目にかかりましたね。
大辻様そうでした、思い出してきましたね。ケアフィットさんの異業種交流会にも毎回参加させていただきましたが、いつも机上に出張先で準備して下さったお土産のお菓子があったのを思い出しました(笑)
目的は勉強会と異業種交流会だったのですが、お菓子があったのはよく覚えています。
ケアフィットさんの事務所のお披露目会もありましたね…
中村様自分が研修を受けた時は、高齢者や障害者の特性や気持ちなど、普段感じることができない部分を知ることができ、相手の目線に立った対応が本当に大事なのだと実感しました。
大辻様今は、現場から教育担当をしているが、やはり常に知識を蓄積していることで、お客様からご意見をいただいた際も迅速な対応が取れています。「バスに乗車できなかった…」というご意見をいただいたことがあったが、結果として事象に対する原因をきちんとお話しすることでご理解をいただき、翌日からまたご乗車いただけたことは本当に嬉しかったですね。ただ、原因を考えた時、自社だけではなく社会の責任として考えなければならないことがあると実感しました。
バス会社として電動車いすには、ご乗車いただけるタイプとご乗車いただけないタイプがあり、短時間に且つ瞬時に判断するのは非常に難しい。どう対応すればいいのかと考えた時、日本の場合は、障害当事者・製造メーカー・国・受け入れる企業の全てが同じ認識を持っていなければならないのですが、現状は難しい。それぞれの立場に「事物」「制度」「慣習」「観念」という社会的障壁を実感しています。
例えばですが、「固定」という文化を必須とするならば、車いすの製造過程で固定箇所を決めることで、安全の確保が担保できるのかもしれない。今後の課題として、これらの障壁と向き合う必要があります。
中村様2016年からの導入ですが、もちろん、光栄です!
表彰を受けるというのは、有り難いことですし、嬉しいものです。ありがとうございます。
バス業界では、国土交通省や近畿運輸局、日本バス協会による優良運転者表彰があり、当社社員も毎年数名が受賞しております。
ケアフィットそれは凄いですね。おめでとうございます。
大辻様今、弊社では450人ほどの取得者ですが、20万人目に弊社社員が取得できたことは大変嬉しいですが、実はもう一つ嬉しいことがあって、サービス介助士の取得者が増えるにつれ、お客様からお褒めいただく件数も右肩上がりに増加しているのです!
運転士の心のあり方にも変化が起きているのかもしれません。
お客様が嬉しいと感じていただけたことをわざわざ文字にしてお寄せいただけることは本当に有り難いです。
ケアフィット本当にそうですね。胸の内に仕舞わず、きちんと声に出していただくのですから、本当に「ありがとう」と感じていただけたのでしょうね。私達にとっても嬉しいコメントです。実は私も担当インストラクターから、たびたび受講者の積極的な受講態度の報告を受けていました。先日も報告させていただきましたが、社内で何か意識改革を起こさせるような取組があったのでしょうか?
大辻様サービス介助士の学びを受け始めて以降、もし意識の変化があったのだとすれば、指導的な立場にある指導運転士が良い影響を与えてくれているのかもしれない。
実は、3年前から100名近くいる指導運転士だけを集めてドライバーズコンテストを始めたが、そこから気持ちに火がつき、横のつながりも出来たんじゃないか。
中村様新入運転士だけでなく、各営業所において指導的役割を担う「指導運転士」にもサービス介助士の取得を始めたのがちょうどその頃ですので、それも理由だと思います。
ドライバーズコンテスト
大辻様
中村様お客様からお褒めを貰った運転士には表彰もしており、1つのお褒めで1つの表彰をしていて、ここ最近その数も右肩上がりになっている。また社内誌にお褒めを貰った人たちの写真を掲載しているので、その刺激もあるのかもしれない。
あとは、2019年7月に今の名札に変え、サービス介助士と明記されたものを運転士がつけ始めました。資格を取得した運転士が明確になったこともきっかけになり、自覚も出ているはずです。サービス介助士と明記された名札をつけたら変なことできなくなりますよ(笑)
ケアフィットなるほど、サービス介助士資格取得を進めていただくと同時に安全への意識やモチベーション向上の取組をされていることが良く分かりました。
名札にも大きな力が働いていることを伺えて本当に嬉しいです。
ありがとうございます。
名札に資格保有者であることを記載
ゲットサンクス賞
中村様バスに乗車することで感染を不安視される方はどうしてもご利用を控えるでしょうし、在宅勤務の定着もあり、バスのご利用者数はなかなか回復してこない現状にはありますが、ICカードやバスロケーションサービスなどハード面の利便性を向上させるとともに、ソフト面でも接遇レベルを上げるなど、お客様により快適にバスをご利用いただけるよう努めていきたいですね。
大辻様あとは、お客様に実際にご乗車いただき、運行上すべきことがきちんと遂行されているか等をお客様自身にジャッジしていただくこともあります。
万博開催時には世界各国からお客様が関西にお越しになるはずです。公共交通従事者としてサービス介助士の有資格者を増やし、一層のスキルアップをしてお迎えしたいと考えます。
バスロケーションサービス(接近情報)
中村様安全衛生面から考えると、車いす介助技術の指導については更なる充実をお願いしたいです。
お客様はもとより運転士がケガをすることなく、安心してお客様対応ができるよう追及してもらえると有難いですね。
ケアフィットかしこまりました。受講いただく皆様方の介助技術と接遇、そして、お話を聴かせていただいた中で繰り返し出ていました、障害のある方々が取り残されることのない社会を作っていくためにも、障壁を取り除くためのお手伝いを弊機構としても微力ながら尽力させていただきたいと存じます。
今日は、貴重なお話を聴かせていただきましてありがとうございました。
ケアフィットファーム研修 導入事例(NTTアドバンステクノロジ様)
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日本の高齢者人口3,625万人! - 超高齢社会と認知症の推移(2024年版) -
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南海トラフ地震と障害のある人への防災対策:防災介助士の視点で解説
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南海トラフ地震は、今後30年以内に70〜80%の確率で発生すると予測されています。この巨大地震に備えて、特に障害のある方々とその家族、そして企業は十分な準備が必要です。本記事では、防災介助士の視点から、障害のある人のための具体的な対策について解説します。