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全国のバス事業者様のインタビューを行う連載インタビュー。
今回は兵庫県を中心とした路線バス事業などを展開し、近年ユニークな取り組みもされている神姫バス株式会社様にお話を伺いました。
藤井様
小森様
兵庫県西地区で地域に根ざし、これから大きく成長していくバス会社になると期待・魅力を感じ、平成9年から経営企画業務〜観光バス事業全般、観光バスツアーに携わった後、現在は秘書業務から広報までの分野の業務に従事しています。
秘書広報課課長 小森 亮介 様
バス事業として「人の移動」を中心としたサービスを展開する中で、新型コロナウイルスの感染拡大は、かなり大きな影響を受けていますが、一方で多く社員の沢山のアイデアを出し合い、事業化したものがあります。
人口減少や高齢化だけでなく、新型コロナウイルス禍で更に乗客減に拍車がかかっており、そこで‘バス事業は「人の移動」だけではない!’のアイデアが生み出した、貨物と乗客が同じバスに乗る「貨客混載」。 過疎地域のバス路線の維持と地域の農産物輸送手段の確保という2つの課題に取り組み地域活性化も目指す事業です。三田市での貨客混載の取り組みは休業農家の農業再開や地域経済への活性化に寄与したことが評価され、「令和3年度近畿運輸局地域公共交通優良団体表彰」を受賞しました。
大自然やヘルシーグルメを楽しみながら、フレイル予防の専門知識を習得した、フレイル予防サポーターバスガイドが身体に良い体操や食事法をアドバイスするバスツアーで、コロナ禍で健康不安が増幅する高齢者には新鮮な魅力として受け止められています。フレイル予防サポーターバスガイドは、もともとサービス介助士資格も取得しており、お客様にはより安心なツアーとなっております。
3つ目は、古いバスで移動サウナを作る 移動型サウナバス「サバス」があります。
これは先の2つとは少し違いまして、経済産業省の制度(大企業人材等新規事業創造支援事業)を上手く利用して生まれたもので、神姫バス若手社員が起業し、神姫バスに在籍しながら自身が立ち上げた会社「株式会社リバース」に出向したものです。リバースには、「再生させる、生まれ変わらせる」そんな意味がありますが、第1弾として、神姫バスの路線バス車両を、“移動ができるサウナ”に改造しています。
どれも社員の斬新なアイデアや意見を積極的に事業に取り入れた結果であり、新たな収益源確保、成長戦略の1つとして実を結んだ事業です。
当社グループのサービスは「人の移動」だけに止まらない大きな可能性があることに気づきました。
引退した路線バスの車両をサウナに改造し、本格的な薪サウナが体験できる移動型サウナバス。
関西エリアのイベント会場等で大活躍しています。
国内外のメディアが大注目!!
コロナ禍の苦境の中、地方のバス会社がこれだけ大きくメディアに取り上げられるのは、非常に嬉しいです。
乗務員の声でよく出てくるのは、車内における「車いすの固定」についてですね。
車内事故防止のため安全ベルトでの固定をお願いしてはいますが、お客様からは「傷がつく、車いすが傷む」などを理由に断られる場合が非常に多いです。
弊社として、お客様を安全に目的地まで輸送する義務がありますから、お客様のご意見も踏まえた上で、各営業所へ車いすの製造メーカーに来てもらい、車いすの固定方法についての勉強会を実施しています。
私達自身が乗務していた頃はまだサービス介助士を取得する以前のことでしたので、バス停に車いすをご利用のお客様がお待ちいただいている姿を確認すると不安でしたが、取得後は声をかけることに迷いもなく自然と身体が動きます。
他の乗務員も同じで、お客様にはしっかりとサービスが行き届くようになったと感じます。
本社お客様センターにも「乗務員の対応が良かった!」とお褒めのメールが届くのを見る嬉しいですね。
弊社は資格取得を自己啓発の一環としており、乗務員が興味を持ち率先して取得してくれています。弊社としては受講会場アクセスも魅力の一つです。
慢性的な乗務員不足もあり、免許取得までの育成期間を踏まえ、高校卒業すぐの採用には注力はしています。
やる気を引き出す仕組みや教育制度、働きやすい職場環境の整備などもあり、女性乗務員も現在32名在籍しています。
他社比較ではなく、当社としての全体数から考えるとまだまだ少ないと考え、常に目標を掲げ、女性乗務員数も増やしていきたいと考えます。
乗務員全体のやる気という点については、「お客様センター」に寄せられるお客様からのお褒めの書き込みがあります。
ここでのお褒めに対して弊社では、社長直筆の「メッセージカード」と副賞を渡す仕組みがあり、乗務員にとってはお客様からのお褒めの言葉と社長直筆のメッセージに士気が高まるようです。今では、100名以上がこの社長メッセージカードをもらっており、既に複数受賞を目指す乗務員もいます。
生活や仕事の“新しい様式”への変化に加え、コロナ収束後は少子高齢化や人口減少が顕著になっていくと予想されますが、そのような課題にも対応できるよう、バス事業という移動手段を基軸に、地域の魅力を発掘・創出・発信することで、その価値を高める「まちづくり、地域づくり」企業への変革に取り組みます。
先月には「まちづくり、地域づくり」を当社グループ全体で推進するための新しい部門として「地域事業本部」を設置しました。移動や観光をベースにしたプラットフォームを構築し、地域とともに当社グループの成長にもつなげます。
当社グループは2022年8月に創立95周年を迎え、これまで支えていただいたお客様や関係先の皆さまに感謝し、2027年に迎える創立100周年に向けて、地域の皆さまの生活や社会を支え、ともに発展する企業を目指してまいります。
ケアフィットファーム研修 導入事例(NTTアドバンステクノロジ様)
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ケアフィットファームでは、ダイバーシティ&インクルージョンを体感できる企業研修プログラムを提供しています。今回はNTTアドバンステクノロジ株式会社様が参加されました
日本の高齢者人口3,625万人! - 超高齢社会と認知症の推移(2024年版) -
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毎年敬老の日に合わせて総務省統計局から発表される日本の高齢者人口。最新の発表によると2024年9月現在の高齢者人口は3,625万人、高齢者人口率は29.3%となりました。超高齢社会が進むと切り離すことのできないテーマが認知症です。これからも社会の高齢化が進行するとどのようなことが起こりえるのか、高齢者に関する様々なデータを見ながら考えていきましょう。
南海トラフ地震と障害のある人への防災対策:防災介助士の視点で解説
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南海トラフ地震は、今後30年以内に70〜80%の確率で発生すると予測されています。この巨大地震に備えて、特に障害のある方々とその家族、そして企業は十分な準備が必要です。本記事では、防災介助士の視点から、障害のある人のための具体的な対策について解説します。
運転が大好きで、地元・地域に貢献したいという思いを持って、平成2年乗務員として入社しました。
18年間多くのバス業務を経験し、現場運行管理から現在は、営業所全体の運行管理責任者とし業務に従事しています。
平成23年にサービス介助士を取得しました。
バス事業部次長 藤井 隆展 様