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「ペガサス・ボヤージュ」の企画は、日本旅行業協会主催「海外卒業旅行企画コンテスト2018」にて見事グランプリを獲得!
私たち九州国際大学現代ビジネス学部地域経済学科福島ゼミナールは観光と障害者を掛け合わせた研究を日々行なっております。
研究テーマである「障害者の楽しみを増やすこと」が私たちの目標であり、チャレンジであると考えています。そこで旅行をいかにしてバリアを感じなく楽しめるのかということを考え、「ペガサス・ボヤージュ」という全く新しい障害者のための旅行を立案しました。
私たちはこれまで様々な障害のある方たちに実際に会って話を聞き、障害のある方の旅行を変えたいと思うようになりました。人それぞれ障害の種類は違うけれども健常者と同じように楽しむ権利はあると思います。しかし、それができていない現状があることも知っています。その楽しみを障害のある方に提供したいし、私たちがもっと頑張ることでこの現状を変える足掛かりになることを願って今後も活動を続けていきます。
福島ゼミの企画で開発された「ペガサス」
「ペガサス」を試乗してもらい、車いすユーザーにヒアリング
私たちは、共生社会を実現するためにはどうするべきか日々考えていました。
福島ゼミには、先輩が開発した昇降式電動車いす「ペガサス」というものがありました。それは、座面が80cm上昇し、健常者と同じ目線になることができます。もともと婚礼用に作られた車いすでしたがどうにか他にも代用できないか考えた結果、このような企画が生まれました。議論する中で「ライブ」や「コンサート」といったものも挙がっていましたが、ちょうどその頃に「海外卒業旅行企画コンテスト2018」という日本旅行業協会主催のコンテストが開催されていたので、旅行の中でペガサスを使うことに挑戦したという経緯があります。もともと昇降式電動車いす「ペガサス」は、車いすユーザーのための婚礼企画「タキシーマウエディング」で開発され、ほかにも代用できないか考えた結果、コンサートやライブで用いるという案も出ましたが今回の「旅行」に結びつきました。
私たちが旅行先を選定するときに、日本と変わらずバリアフリーが充実しているという情報を得られ、シドニーに選定いたしました。
今回はシドニーでしたが、海外旅行だけではなく身近な日本での旅行、またライブやコンサートでも車いすユーザーが健常者と同じように楽しむことができる世の中にしていきたいです。
私たちは全員がサービス介助士の資格を所持しています。福島ゼミは観光系のゼミなのですが福島教授は福祉にも関係しています。
その福島教授にサービス介助士という資格の存在を教えていただきました。初めは正直聞いたことの無い資格だったのでどのような資格なのかを調べました。調べると障害の理解を深め、障害のある方への接し方を学ぶ資格であることが分かりました。福島ゼミには昇降式電動車いす「ペガサス」を所持していることはゼミに入った当初から知っていたのでサービス介助士の資格を得ることで出来ることが増える、また、見える世界が広がるのではないかと考え、サービス介助士の資格を取ることを決意しました。
実際にサービス介助士を取得すると普段気にも留めていなかった街中の障害や、障害のある方に気づき、ゼミの活動でも車いすを利用される方を介助できるため企画の幅が広がりました。
このモニターツアーで、実際に乗降援助や走行のお手伝いをすることでサービス介助士の有益生や意義を見出すことができました。
オーストラリア・シドニーには、福島ゼミ生4名と車いすユーザーの矢野剛教さんと行きました。矢野さんは、鹿児島在住で生まれつき脳性麻痺でありながら、スキューバダイビングやパラグライダーをしているアクティブな方です。また、海外旅行にも行ったことがあるそうで、海外旅行が全員初めての福島ゼミ生を英語などの面で助けていただきました。
シドニーのバリアフリー状況としては、ハード面とソフト面が共に行き届いている国であることが今回のモニターツアーで知ることができました。
ハード面に関してシドニーの街では、歩行スペースが十分に確保されてあり歩道と横断歩道の段差がないため、車いすも楽に進むことができます。ほとんどの駅や観光施設では、エレベーターとスロープが設置されています。ソフト面に関しては、急な坂道で車いすを押すことに苦労していると現地の方々が率先して車いすを押してくれたり、日本の駅では頼まないとスロープを出してもらえないところをシドニーは、当たり前のように出してくれるなどオーストラリアの人の良さや文化の違いを感じました。
マイクロバスはドライバーによる乗車サポートがありました。
このシドニーのモニターツアーが無ければ車いす利用を長時間サポートする機会はなかなか出会えませんでした。
車いす利用のサポートから普段気にも留めないような街中や店内のバリアフリーが見えてきます。私たち福島ゼミもそうでしたが普段生活している中で障がいのある方と長く過ごす機会は多くはありません。このことが日本人のソフト面のバリアフリーが発展しない要因なのではないかと考えています。
また、シドニーの国民性は、「気軽に助け、助けられる」という助ける者と助けられる者の関係が構築されていました。日本では、障がいのある方に対し「助けたい」と思ってもその行動が相手にとって本当に必要なのか、失礼にあたるのではないかといった感情が芽生え、コミュニケーションを取りあう関係性が構築されていない印象があります。
その問題のひとつに日本の学校教育の現状に問題があると考えます。たとえば、小学校には特別支援学級が設置され、子どもたち自身が「障がい者」を特別視してしまうような環境になっているといえます。
しかし、海外では障がい者を分けずに統合教育を実施しているので、「障がい者」を特別視するという感覚はないのではないのでしょうか。この点は共生社会に向けて日本も改善するべきと考えます。
ペガサスならカウンター越しでも同じ目線でコミュニケーションがとれます。
今後は、まずは、このモニターツアー自体を多くの人に認知してもらい少しでも商品化に近づけることが出来ればと考えています。車いすユーザーでも気負わずに海外旅行に行けることを、健常者を含め広く知っていただけるよう一層、広報活動に力を入れていきたいと考えています。現在は、リーフレットや報告書などを人目に付く場所に展示するほかFacebookを利用し、全世界にメッセージを発信し続けています。私たち福島ゼミ3年は車いすの海外旅行にイノベーションを起こすべく、この活動が少しでも足がかりになればと考えています。
九州国際大学
http://www.kiu.ac.jp/(外部リンク)
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