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災害に対する弱さ(脆弱性)は、人のライフサイクルによっても異なっていくものだと考え、その人の状況による備えを考える「防災ジェロントロジー」の考えが重要です。
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今回は乳児のいる家庭における防災について考えていきましょう。
災害時に気をつけたいことだけでなく、避難時に持っていきたい防災グッズも紹介していきます。
児童福祉法によると、乳児とは、「生後1年未満の者」と定義されており、生後すぐから満1歳になるまでの子どものことをいいます。
この時期の子どもは、成長にもよりますが、ハイハイから、つかまり立ち、伝え歩きから、数歩自立歩行することができるようになります。
また、ごはんも母乳・ミルクから離乳食に移行していきますので、成長により、気をつける点も異なってきます。
災害時はもちろんですが、乳児の事故は日常にも潜んでいます。子どもの不慮の事故は、1歳未満も多く、場所では家庭内が多いです。
よって家の環境を整えることが未然に事故を防ぐことにつながると言えます。
多い事故例としては、ベビーベッドやソファ、階段からの転落、枕やぬいぐるみによる窒息、薬やたばこなどの誤飲、アイロンや食卓に準備された、熱い食べ物の入った食器をひっくり返すなどによる火傷、お風呂などでの溺水などがあります。
事前対策として、階段やキッチンには柵を用意して入れないようにする、手の届く範囲に危険と思われる物を一瞬でも置かない、お風呂や洗面機などに水を残さない、または鍵をかけて入れないようにするなどができます。
乳児は10㎝程度の浅さでも溺れることがありますので、水がはってある場所にアプローチできない環境作りが必要です。
また、乳児は口の中に物を入れる習性があり、トイレットペーパーの芯の中を通るくらいの大きさの物は飲み込んでしまう可能性があると言われます。
乳児は何が危険か判断できませんので、飲み込む可能性のあるものは手の届くところに置かないなど、家の中の環境を整えることが必要です。
災害への備えとして、地震に備えベビーベッドの回りには、上から落ちてきたり、倒れてきたりしないように物を置かないようにしましょう。
壁掛け時計やエアコンも地震により落ちることがありますので、ベッドの位置には配慮しましょう。
また、避難時は長い距離の移動を考えてベビーカーで避難したいと考えがちですが、道路状況の変化、避難する人による混雑なども考えると、両手の空くおんぶ紐を使用しましょう。
いかがでしょうか。普段の外出時に持参している物が多いのではないでしょうか。
日頃から使用したら補充して、いつでもさっと持ち出せるようにしておくと、日常ではもちろんのこと、災害時も役立ちます。
なお、飲み慣れていないミルクや食べ慣れていない離乳食だと乳児が飲まない・食べないこともあるため、普段から何度か試しておくとよいでしょう。
また、水や食べ物など3日分は用意しておきたいですが、避難において3日分の持参が大変で移動に困難が生じるようであれば、可能な範囲で持参し、命を守るために避難することを最優先しましょう。
慣れない避難生活では、大人はもちろんのこと、乳児はさらにストレスが溜まりやすくなります。
欲しがったら、なるべく母乳やミルクをあげて落ち着かせる、お気に入りのおもちゃで遊ばせたり、頻繁に抱っこをするなどして、安心させることが大切です。
乳児がいることで、避難所での生活が不安になり、「周囲の迷惑になるのでは」など、「避難しない理由」を探しがちになりますが、被害が大きくなってからの移動はより困難で危険になることもあります。
日頃から必要なものを準備しておくと、いざという時に避難しやすくなります。
防災介助士インストラクター冨樫正義
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