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さて、今回は【世界のバリアを考える】の番外編として、モンゴル人のおもてなしについて書いてみたいと思います。舞台はかつてモンゴル帝国の首都で、現在は世界遺産にも登録されている町、ハラホリン。モンゴル帝国は世界の四分の一を支配した大帝国です。その首都が置かれていた場所とは一体どんな場所なのか。期待が高まります。
ハラホリンへはウランバートル郊外にあるドラゴンセンター(バスターミナル)から、バスが毎日出ています。ここドラゴンセンターは、ハラホリンだけでなく、モンゴルの様々な都市へのハブステーションになっている為、非常に沢山の人で賑わっていました。
早速、ハラホリン行きの出発時間を確認するため、電光掲示板を見たのですが…
全てモンゴル語…全く分かりません。
基本的に、バスや飛行機等、外国人も利用する可能性の高い案内板は、現地の言語と英語が順番に切り替わるタイプのものが多いと思いますが、ここドラゴンセンターではモンゴル語のみ。戸惑いが隠し切れません…。
掲示板を見ても出発時刻が分からなかったので、カウンターに行ってみると
「ハラホリンハ ジュウイチジ シュッパツデス」とまさかの日本語でした!
モンゴルでは相撲人気はもとより、学生の日系企業への就職が圧倒的人気のため、日本語を勉強する人がとても多いそうです。(日本への人口比留学率が世界第1位)今回のように、ハード(掲示板)にバリアがあったとしてもソフト(スタッフ)で解消できれば何の問題もないですね。逆にとても嬉しい気持ちになりました。
さて、今回の目的地【ハラホリン】はウランバートルから西に230km進んだところにあります。
時間通りに到着した大型バスに乗り込み出発です。
途中、モンゴル式のサービスエリアで休憩したり、モンゴル特有の風景を横目に見ながら進むと…
約6時間で世界遺産の街【ハラホリン】に到着です。
写真をご覧頂いて分かる通り、モンゴル帝国の首都が置かれていた場所とは思えないほど静かで、とてもゆっくりとした時間が流れていました。
ちなみに【ハラホリン】とはモンゴル語で「黒い砂礫(されき)」を意味し、「カラコルム山」という黒色の石材が取れる山の名前に由来していると伝えられています。(Wikipedia参照)名前の通り、カラコルム周辺には、現在でも安山岩や玄武岩などの黒い河原石が多く見られました。
さて、ここハラホリンには世界遺産に登録されている寺院があります。
その名も【エルデニ・ゾー】108つのストゥーパ(仏塔)を有するモンゴル最古の寺院です。
エルデニ・ゾーとは【宝石の寺】の意味で、堕落した僧侶たちを戒めるために建造されたものと言われています。非常に見ごたえのある大きな寺院なのですが、ハラホリンの見所といえばエルデニ・ゾーくらいで他に目立った観光スポットはありません。
強いて言えば、空気が澄んでいるため星空がとても綺麗ということ位でしょうか…。
今回宿泊したのが「GAYA’S GUEST HOUSE」
上写真では分かりづらいかもしれませんが、緑色のメインハウスの下に沢山のゲル(モンゴル式移動テント)があり、ゲルにも宿泊できるとのことで今回はここに決めました。
ちなみにゲルの中はこの様になっています。
今回は一人で宿泊しましたが、2人でも十分な広さです。
一見、トラディッショナルな雰囲気のゲルですが…
電気も付きますし、Wi-Fiだって飛んでいます!なんて快適なのでしょう…。
時代の流れのせいかもしれませんね。
しかしながらエアコンが付いている訳ではないので、夜中は薪ストーブで暖を取ります。
薪なので、一定時間たつと消えてしまいますが、スタッフの方が寒い中、小まめに薪を補充して下さいました。スタッフの方の優しさが身に染みます。
さて、薪の準備をして下さっている間に、今回の旅の目的の一つでもある星空を見ることにしました。
たしかにとても綺麗だったのですが…
メインハウスの看板が煌々と光っている為か、正直あまり良く見えません…。
私が外で星空を見ていると、オーナーのガヤさんが通りかかり「星を見ているの?それなら、看板の明かりを消しますよ。」と言って明かりを消してくれました。
するとそこには満点の星空が…
写真で伝わらないのが残念ですが、明かりを消した瞬間、目の前に満点の星空が現れました。星空を見るのも今回の目的の一つでしたので、とても良い経験になりました。
こちらの声に出さない要望を読み取り、行動してくれたオーナーのガヤさんには感謝しかありません。
こちらがオーナーのガヤさん。
滞在中はいつも笑顔で話しかけてくれ、常にこちらを気にかけてくれました。
モンゴル滞在の9日間、本当に沢山の方々に助けて頂きました。
モンゴルの方は一見、怖そうに見られがちですが、話をしてみると非常にフレンドリーで友好的な方が多く、仲良くなるといつも笑顔で話しかけてくれました。モンゴル人はもともと遊牧民のため【主客同一(客人と主人は同等の関係)】の精神が今でも色濃く残っているのかもしれません。モンゴル滞在中も、スーパーのレジでは日本語でコミュニケーションを取って下さる方がいたり、私が道に迷っていると、それを見かけた現地の方が、英語の出来る方の所まで連れて行って下さったりと非常に素敵なおもてなしで溢れていました。主人と客人の関係が対等であるからこそ、良好なコミュニケーションが取れ、信頼関係を築くことが出来るのかもしれません。
これから2020年を迎えるに当たり、訪日外国人が急増すると予測されていますので、私たち日本人も海外からお越しになった方への最低限のおもてなしとして、各国の【こんにちは】【ありがとう】くらいは覚えてみても良いかもしれませんね。
世界のバリアを考えるvol.1【モンゴル編】はこちらから
世界のバリアを考えるvol.1【モンゴル編】
ライタープロフィール
あらしょうさん
27歳の時、ふいに世界の文化に触れてみたくなり世界一周に出発。
1年3ヶ月を掛けて55カ国を周る。
帰国後は秘境専門の添乗員として主にアフリカ・中近東方面を多数周り現在までに80カ国以上を旅する。
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