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超高齢社会でもあり災害大国でもある日本では、 超高齢社会と防災は切り離すことのできない重要な課題です。
ライフステージにあわせた防災はどのようになされるべきか?
三重県いなべ市の防災課兼、防災介助士として活躍されている大月浩靖氏をお招きし、ジェロントロジー(創齢学/老年学)の考えにもどづいた“防災ジェロントロジー”の観点から超高齢社会の防災を考えます。
現在、日本は超高齢社会と呼ばれる区分にいます。
これは総人口における高齢者(65歳以上)人口の割合が21%の社会のことをいいますが、2020年の段階で、日本の高齢者の割合は28.7%になっています。
高齢化率は今も増加しており、そのようななかで災害が起きた際、誰が高齢者を支えるのか、どうやって地域が支えていくのかが課題になります。
実例をみてみましょう。
平成30年7月豪雨において、市町村別死者数が最大となった倉敷市の死者52人のうち、51人が真備町に在住しており、そのうちの80%が70代以上の高齢者でした。
参考:令和元年台風第19号等を踏まえた高齢者等の避難に関するサブワーキンググループ(第1回)内閣府政策統括官(防災担当)より抜粋(外部サイト)
また、台風19号による直接の死者は84名で、そのうち65%を65歳以上の高齢者が占めており、約74%の方が水害で亡くなられています。
その際のアンケートには、避難をしたくても避難誘導してくれる人がいないという状態が明白になりました。
参考:令和元年台風第19号等を踏まえた高齢者等の避難に関するサブワーキンググループ(第1回)内閣府政策統括官(防災担当)より抜粋(外部サイト)
日本では毎年、死者がでる災害が発生しています。
こういった例からは、今でも災害が起こると取り残されてしまう人がいる、という課題が残っていることが分かります。
課題解決の手段のひとつとして、2013年に災害対策基本法が改正され、避難行動要支援者名簿の作成に関する規定が設けられました。
避難行動要支援者とは、高齢者や障害者など、災害が発生したときに避難の際支援が必要な人のことです。
そのような人たちを事前に名簿化し、避難時の安否確認やスムーズな配慮提供に役立てるものがこの避難行動要支援者名簿です。
この名簿は一見すると画期的なアイディアですが、当初は個人情報の提供に対して消極的な人が多かったり、自治体によって名簿の完成度がバラバラだったりと課題も多くありました。
しかしながら、2011年の東日本大震災などの影響もあり、2013年には名簿作成のための規定が制定されました。
そして2021年には、災害対策基本法がさらに改正され、個別避難支援計画と呼ばれる高齢者や障害者一人ひとりの避難計画の作成を市町村の努力義務にするなど、時代に即した「誰も取り残さない防災」が進められています。
こうした行政の取り組みはもちろん大事ですが、それと同じぐらい、普段から地域でお互いを支え合う姿勢が防災においては重要です。
個別避難支援計画を作成するにしても高齢で多忙な自治会長や民生児童委員だけでは難しいです。
書式の作成や対象者の抽出は役所が行い、個々人の情報については地域のケアマネージャーと連携するなど、地域全体で防災に取り組む仕組みが必要です。
地域が支える仕組みの一つとして、見守りがあります。
平時からの見守りやご近所づきあいは、人間関係の希薄化を防ぐと同時に、災害が起こった際の強固な支え合いの仕組みにもなりえます。
最後に、災害が起きた後の支援について考えていきます。
例えば熊本地震の災害関連死*1について、死亡時の年代は80代、発災から死亡までの期間は1週間以上1ヵ月以内が最も多いです。
熊本地震では関連死が222人であり、直接死50人の4.4倍以上になっています。*1:災害による直接の被害ではなく、避難途中や避難後に間接的に死亡すること
もっと詳しく災害関連死 高齢者・障害者が多い原因は?東日本大震災と熊本地震の事例から考える(別のウィンドウで開く)
今後、社会の高齢化が進むにつれて、災害時に支える人が少なくなっていきます。
そんなときこそ、地域で支え合い、強固な防災対策をしていくことが必須になるのではないのでしょうか。
開催日時 | 2021年10月20日(水) 13:00-14:00 |
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開催形式 | 完全オンライン(ZOOMウェビナー利用) 手話通訳者を配置。UDトークによる字幕表示(予定) |
参加費 | 無料 |
ご登壇者様 | 川崎市市民文化局オリンピック・パラリンピック推進室 様 |
モデレーター | 公益財団法人日本ケアフィット共育機構 理事 髙木 友子 |
プログラム |
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高齢者や障害者とのコミュニケーションや接遇(介助)、サービス提供のあり方を学ぶ資格「サービス介助士別のウィンドウで開く」は2000年から始まり、1000社以上の企業がバリアフリー施策、サービス向上、ダイバーシティ&インクルージョン推進の取り組みとして導入しています。
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