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災害に対する弱さ(脆弱性)は、人のライフサイクルによっても異なっていくものだと考え、その人の状況による備えを考える「防災ジェロントロジー」の考えに基づいた防災について紹介します。
今回は小学生に伝えておきたい地震発生時の行動についてです。
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近年保育園や幼稚園では地震時に幼児に対する行動として、ダンゴムシのポーズを推奨することが多かったのではないでしょうか。確かに頭を隠す場所がない状況では、頭を丸めて小さくうずくまる姿勢は効果があると言えます。
一方で姿勢をとることが目的となってしまうと、かえって危険なことがあります。いくら小さく体を丸めても重い家具からは身を守れません。幼児期であれば、自身で考えることが難しいため、先ずは行動を伝えることが効果的とも言えますが、小学生にもなると自ら考えることもできます。ぜひ家族で一緒に考えてみましょう。
では、どの様な行動を取ればよいのでしょうか?
ダンゴムシの他には、机の下に入ることが推奨されています。落下物から身を守るためには、こちらの方が良いでしょう。
命を守るための行動の基本は
「家具の移動や落下物から身を守るため、頭を保護しながら大きな家具から離れ、丈夫な机の下などに隠れる」です。
https://www.kantei.go.jp/jp/headline/bousai/jishin.html(外部サイト)
↑首相官邸のホームページ「地震では、どのような災害が起こるのか」
先ず伝えたいことは「身を守る行動」が必要ということです。その上で「身を守る行動」とは何か、一緒に考えていきたいです。
「机の下に隠れましょう」とは言っていない点がポイントです。隠れる場所は丈夫でしょうか?その机が安全とは限りません。机がないかもしれません。机の下に隠れることが必要なのではなく、身を守ることが必要なのです。つまり、家であれば、その家によって異なるのです。皆様の家で身を隠すのに一番安全な場所はどこでしょうか。
ポイントとしては
物が「落ちてこない」「倒れてこない」「移動してこない」空間に身を寄せることです。
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/bou_topic/jisin/point-01.htm(外部サイト)
↑東京消防庁「地震 その時10のポイント」
家の中で上記の3つの条件にあう場所で安全な場所はどこでしょうか。
また、状況想定も大切です。
震度6を超える大地震では、移動すること自体が難しいですし、側に机があるとは限りません。
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/shindo/index.html(外部サイト)
↑気象庁「震度について」
食事時、入浴時、就寝時などシーン別に地震が起きた際の行動について話してみましょう。
そして、何より大切なことは、大人が安全な部屋作りをすることです。
阪神淡路大震災では強い揺れは十数秒であったとも言われています。地震の種類にもよりますが、揺れを感じた瞬間の行動が重要になるのです。
机の下であれば、机の脚の上の方を握る。ダンゴムシのポーズであれば、頭を覆い隠すなどが基本の姿勢とされますが、目的は身を守ることです。
例えば、机の下に隠れた際、机の脚の上と下、実際に握った状態で机を揺すって検証するなど、一緒に体験してみると良いでしょう。
怪我をしないためにはどの様な行動をすれば良いか、話し合い、実験してみてください。
防災ジェロントロジーの考えは、防災、多様性、超高齢社会といったこれからの地域社会にも重要です。
地域福祉と地域防災計画など自治体においても欠かせない観点でしょう。
超高齢社会と共生社会を見据えた防災をお伝えしている、防災介助士が防災ジェロントロジーと地域の防災計画の第一歩に役立ちます。
防災介助士について詳しくはこちら(別のウィンドウで開く)をご覧ください
文責:防災介助士インストラクター冨樫正義
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