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皆様、こんにちは。コニーです。【コニーは何しに日本へ?オーストラリア人留学生が考える共生社会シリーズ】をお届けします。
10月も終わり、すっかり寒くなってきました。
英語で10月は「October」ですが、オーストラリアでは10月に1月間「Dogtober」という補助犬を支援するため募金キャンペーンがあります。
さて、今回は補助犬についてご紹介したいと思います。
日本の法律では補助犬(assistance dogs)は以下の3種類です。
1.盲導犬(guide dogs):視覚に障害のある人の歩行をサポートします。
2.聴導犬((hearing dogs):音を聞き分けて、聴覚に障害のある人に危険を伝えます。
3.介助犬((mobility service dogs):身体に障害のある人の手足となり、日常生活を支えます。
また、日本で補助犬を育成および認定をする団体があるように、オーストラリアでもおおよそ同じです。
オーストラリアでは「Assistance Dogs Australia」という団体があって、補助犬を育成するための募金活動や障害者向けのサービスの提供をしています。そして、この団体は補助犬に加えてSupport dogs サポート犬を育成しています。
サポート犬のお仕事は補助犬とは異なります。
補助犬は1頭につき、補助犬ユーザー1人を支えることが多いです。
一方でオーストラリアのサポート犬は主に学校や介護施設に駐在し、1頭につき、1人を支えるのではなく、大勢の人を支えています。
出典: Assistance Dogs Australia
(https://www.assistancedogs.org.au/(英語)外部リンク)
大学に「出勤」するサポート犬
そして、近年ではtherapy dogsというサポート犬の認知度が高まっています。障害や事故などを理由に、心に傷を負い、社会とバリアがある人たちの心を支えるサポート犬です。
私の通っている大学でも、サポート犬は毎週1回くらい「出勤」します。
学生や教員の心を癒すことだけではなく、サポート犬を通じて、心身障害について理解を深め、お互いの心のバリアを取り除き、共生社会を実現する施策の一つとして取り組みが進められています。
オーストラリアでは、盲導犬の認知度は高いですが、聴導犬と介助犬の認識が日本より低いと思います。その理由は、オーストラリアでは聴導犬と介助犬の数が少なく、利用者と訓練を行なう団体も少ないからです。
盲導犬は、日本では実働頭数は928頭(2019年 社会福祉法人日本盲人社会福祉施設協議会)います。
オーストラリア全体では400頭以上、私が住むビクトリア州では224頭の盲導犬がいます。オーストラリアではオーストラリア盲導犬協会「Guide Dogs Australia」という補助犬関係団体があり、州に分かれて活動しています。
ビクトリア州では、ビクトリア盲導犬協会「Guide Dogs Victoria(以下、GDV)」という組織が1957年に設立されました。実は、この協会は日本と長いつながりがあるのです。
出典 [guide dogs Victoria HP]
https://www.guidedogsvictoria.com.au/(英語)外部リンク
2002年から日本補助犬協会はビクトリア盲導犬協会と姉妹校提携をし、毎年日本へ盲導犬になるための訓練を受けている犬を送り出しています。
下記のリンクにはメルボルンから日本に行った盲導犬が紹介されていました。
毎年、GSVは盲導犬の飼育及び訓練から、盲導犬とユーザーのマッチングまで、視覚障害児・者のリハビリテーションを総合的なサービスとして提供しています。2018年にはGSVのHPで、将来、盲導犬候補の犬たちが185頭生まれ、さらに7,645頭もの候補犬たちが盲導犬になるための訓練を受けました。視覚障害者やその家族など、約1万人もの人たちの生活を改善するようになったと書いてあります。
キャプション:メルボルンのバス車内の補助犬
このように補助犬たちは日本やオーストラリア、世界中でたくさんの人の役に立っていることを知りました。
私も将来、自分がどこの国に行っても、障害の有無に関わらず、人々が共に生きていける、そんな共生社会をつくるため、役に立てるようにがんばります!
ライター・ コニー
オーストラリア・メルボルン出身
中国とオーストラリアの小学校に通い、留学経験などを通じて、英語のみならず、中国語、日本語、韓国語なども使いこなすマルチリンガル。
言語聴覚士を目指し、大学院で勉強中。
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